上原さん自殺「津波衝撃映像が引き金?」芸能界に“震災被害”


震災にも心を痛めていたという上原美優さん【拡大】

24歳の若さで自殺したタレント、上原美優さんは、さまざまな悩みを抱えていたと伝えられているが、「東日本大震災後に、津波の衝撃映像を見て、不安をつのらせていた。引き金になったのかもしれない」と話すテレビ関係者がいる。

 3月11日の震災後には、人気バンド「スピッツ」のボーカル、草野マサムネ(43)が、急性ストレス障害と診断され、公演を中止。「(震災の)想像を絶する被害の甚大さ、原発の深刻な状況などを目の当たりにし続けることで、本人に急激な過度なストレスが襲いかかり、精神的な障害にまで発展した」と公式HPで発表して話題になった。

 実際に被災していなくても、精神的に追い詰められている人をインターネット上では“エア被災者”と揶揄する書き込みまで現われる始末だ。

 「テレビの衝撃映像や、インターネットの仮想現実に囲まれた現代人特有の症状で、深刻です」

 こう話すのは精神科医の日向野春総氏。とくに感受性の高い人は要注意で、芸能人にも顕著だという。症状には3つのタイプがあるという。

 (1)常にテレビに出演する仕事の人は、震災の悲惨な映像を見て、自分もその場にいる姿を想像してしまう

 (2)ロケなど仕事で、被災した場所に行った経験のある人は、変わり果てた東北の景色を見ただけで、自分が体験したように感じてしまう

 (3)チャリティーやボランティアなどに自分が誘われなかったり、時間が割けない場合、行けないことによる懺悔の気持ちが強まり、自分を罰しようとしてしまう

 このように被災地以外でのPTSDの原因はさまざま。日向野氏のもとにも相談に訪れているプロダクション関係者がいるという。「治療は一筋縄ではいかない。様子がおかしかったら、励ましたりしないで、話を聞いてあげて、専門医に連れてきてほしい。アルコールは禁忌です。錯乱する可能性がある」と警告。「関東大震災や阪神大震災とも異なり、放射能という目に見えない不安も無意識のうちに追い詰めている。症状が出るのは、弱い人なのではなく、感受性が強いのだという理解が周囲には必要」と話している。

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